2007年5月20日 (日)

一網打尽て怖いですね

【一網打尽】(いちもうだじん)文責・宮本良三

網の一打ちで、群れをなしている魚を全部捕まえてしまうことで、悪者を根こそぎ捕らえるときに使われる。

探偵業法(省略)が平成十九年六月一日から施行されます。筆者の所感を伝えたいとおもいます。大阪府には、「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制に関する条例」が昭和六十年から制定され、現在も有効に施行されています。筆者は、興信所・宮本総合事務所として、昭和六十一年十二月から大阪府知事に届出をしています。

このころ、多くの兼業者が排出しました。不動産業者や便利屋・司法書士や行政書士などの有資格者も、「一応届出だけはしておくんや!」との意識でありました。その数は膨大になって、今日に及んでいます。

今年になって、筆者の事務所へ警察官が単独で訪問してきました。本物の警察手帳の新しいのを見るのは、はじめてでした。警官は筆者の長男の年齢です。訪問時は立ったままでしたが、「アンケートを取りたい。」といいだしましたので、座らせました。その警官がいうには、「大阪府の条例を掲示してある事務所をはじめて見ました。」と、筆者の興信所としての届出書をめずらしそうに見ました。筆者が、「他はどうやのん?」と聞きますと、「事務所が何処にあるのか、分からんとこが多いです。それに、事務所があっても兼業者が多いですわ。それに、お宅さんみたいに、額に届出書を入れて、掲げてるところなんて珍しいですわ。」と、目を丸くして語っていました。

筆者は、平成九年から社団法人大阪府調査業協会の現役会員です。同会から、「探偵業法・立法までの物語と逐条解説」(葉梨康弘著)を送ってきました。概略を報告しますと、第一章「法律の目的及び制定の趣旨」・第二章「定義」・第三章「欠格事由」・第四章「探偵業の届出及び名義貸しの禁止」・第五章「探偵業務の実施の原則」・第六章「探偵業務の契約に関する規制(その1)書面の交付を受ける義務」・第七章「探偵業務の契約に関する規制(その2)重要事項の説明等」・第八章「探偵業務の実施に当たっての諸規制」・第九章「教育」・第十章「監督(その1)従業者名簿、帳簿の調査等」・第十一章「監督(その2)行政処分等」・第十二章「雑則」・第十三章「罰則」・第十四章「検討事項~実体的議員立法のために(付則第三条)」

筆者は、同法の「両罰規定」(第二十条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。」に注目いたしました。人とあるのは、自然人を指しますね。これは、個人事業者のことです。

探偵業法の届出を義務付けられるのは、業法に規定があります。同法第一節「探偵業務(第二条第一項・この法律において探偵業務とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞き込み、尾行、張り込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。」と規定されています。

筆者の場合は、該当しません。したがって、探偵業法での届出は必要ありません。筆者は特定信用調査・特定身上調査などを調査コンサルタント宮本総合事務所として、仕事を受け業務執行するだけです。よって、五月二十二日開催の「探偵業の業務の適正化に関する法律説明会」には、出席いたしません。

先般大阪府警察本部生活安全総務課営業第一係からの封書が舞い込み、「探偵業の業務の適正化に関する法律説明会」の案内書が、筆者を含めて府内の業者に送付された模様です筆者の知り合いの調査業者からも出席についての照会がありました。

営業開始の届出に必要な書類は次のとおりです。○探偵業開始届出書○添付書類(個人)1.履歴書・2.誓約書・3.住民票の写し・4.登記されていないことの証明書・5.身分証明書(法人)1.定款・2.登記事項証明書・3.役員に係る上記1から5の書類と、かなり厳しい添付書類が求められています。ちなみに手数料は三千六百円です。

探偵業法は、規制法です。この法律施行により、暴力団の興信所・探偵社は締め出しを食うことになります。また、厳しい添付書類や両罰規定に抑圧を感じて、兼業の不動産業者や有資格者の多くが、調査業から手を引いてしまいます。さらには、現在まで大手興信所を名乗り、電話帳広告の何ページを自由気ままに使ってきた業者も営業所の関係で締めつけられ、やがては淘汰されてしまうことでしょう。

最後に残る業者は、本格的な興信所・探偵社しかあり得ません。今まで、好き勝手な商売を許されてきた業界は、規制の網にかかり、一網打尽にされてしまうことでしょう。

探偵業法は、三年後に見直されるそうですが、筆者はマイナスの考えです。プラスになるとは考えられません。それは、探偵業法の両罰規定に抵触する業者が続発する懸念があるからです。この業界は、○○崩れの受け皿です。元○○、元○○屋という業者が法令を無視して、好き放題にやってきたのです。したがって、従業員教育などは、全く期待できません。今度の法律は、両罰規定ですから、従業員のマイナス行為が法人や自然人の業者へ飛火しては燃え上がることでしょう。

住民票・戸籍の法令が逐次改正されます。そして、不正請求については罰則が強化されることでしょう。戸籍法違反では済まなくするはずです。教育を受けない従業員は、委任状を悪用します。こんなことが発見されますと、法人も人もお終いです。ですから、調査業者の課題は、何といっても法令遵守につきます。「赤信号で止まっては尾行できない。」とは、主張できない時代です。依頼を受ける際には、「主人公は貴方ですよ。貴方の指示があるからこそ、委託契約をするのですよ。」と、依頼者に責任を明らかにさせるような業務執行が求められます。

これからの探偵業務は、「やりにくい。」ということになるでしよう。筆者は新しい法律が施行される今、調査業界全体が創生期と考えます。そして、研修を重ねて、やがては、初期立ち上がり期を迎えることでしょう。そして、ついには発展期を迎えることを希望しています。

筆者の好きな言葉に、「職人は道具を作れるから職人なんや!」というのがあります。調査業にとっての道具とは何か? 道具を作るとはどういうことか? これからは、情報の共有の時代なのかも知れませんよね。

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2007年5月16日 (水)

どえらいことですわ

【心慌意乱】(しんこういらん)文責・宮本良三             

気持ちがあせって、何が何だかわからなくなる状態。

最近、次男と妻と筆者の三人で吉野にある我が家の墓参りに行ったときのこと
ですわ。場所は近鉄電車・阿倍野駅の券売機が並んでるとこです。時間は午後
二時過ぎ。人ごみは多いという感じでしたな。

妻は三人前の切符を券売機の操作では買えませんでした。次男が妻の金を預か
り、券売機を操作して、あっという間に切符を手にして、筆者や妻が居る所に
戻ってきました。「さすがやね。こういうことは、男がするもんや。」と妻は
自分がさっと買えないことについて、いいわけがましくいいました。

筆者は先程から一人の六十代の女性が気になっていました。女性は切符を買い
たいのですが、何度券売機にトライしても駄目なようです。お札が入り口から
戻ってきてしまいます。何度か同じことを繰り返してます。諦めたのかして、
隣の券売機へ再挑戦します。何度挑戦しても、お札は返ってきます。

しかし別の券売機でもお札は、入り口から吐き出されました。筆者は、「何と
かしてやりたいな。」と近づこうとしました。けれども女性は、お札を持った
まま、あっちの券売機、こっちの券売機と渡り歩きます。それでも女性には、
目的の切符が買えませんでした。

女性は意を決したような鋭い目をして、スタスタと窓口へ行きました。窓口の
ガラスのところで、一言二言、何か主張してます。窓口係員から何かを解説さ
れたのかして、別の窓口へ移りました。女性が何かと主張していた以前の窓口
は特急券のみを売る赤い表示のしてある窓口でした。「ははーん、別の窓口へ
行くようにいわれたんやな。」と筆者は女性の急ぎ足を見つめてました。

女性は真っ赤な顔をして、目的の切符を手に入れて、改札口へ向かいました。

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